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11月11日から1週間を「全国糖尿病週間」として、全国各地で健康相談や講演会が行われる。今年のテーマのひとつは「フレイル」だ。フレイルと糖尿病を予防する生活習慣について、福リハのベテラン管理栄養士 斎藤ミキ先生に伺った。

※体に適した食事はその方の体質や持病によって異なります。
 特に通院している方は、医師や管理栄養士の指導のもと栄養管理に努めましょう。

栄養は過剰でも不足でもフレイルに

 フレイルとは、加齢や病気によって心身の活力が低下した状態で「虚弱」と訳されることもあります。健常から要介護になる間の段階なので、フレイル予防を心がけた生活は介護予防にもなります。
 食生活の面では、栄養は過剰であっても不足していてもフレイルになるのです。
 たとえば、脂っこいものが好きで外食が多くお酒をたくさん飲んでいるような人は肥満のメタボ体型になり、関節痛で運動不足になると筋力が低下します。そのうえ動脈硬化から心臓病・脳卒中、糖尿病など生活習慣病のリスクが高まり、フレイルにつながります。
 逆に食事の量が少なく、菓子パンだけで簡単に済ませるなど偏った低栄養の食事を続けた結果、筋肉が減少して骨粗鬆症になり転倒や骨折でフレイルになる人もいるのです。

フレイル予防の鍵は「筋活」

 このように、過剰栄養でも低栄養であっても結果的に筋肉が落ちてフレイルになる人が多いので、予防には筋肉づくりを心がける生活「筋活」が鍵になります。
 筋肉の材料となる食べものは、たんぱく質。骨の材料にもなる大切な栄養素です。魚や肉、卵、大豆製品などのおかずから三食きちんと摂りましょう。また、朝昼夕の食事でたんぱく質摂取量に偏りがある場合より、たんぱく質摂取量がほぼ一定の場合のほうが筋肉がつくられやすいといわれているので、いつも同じ量のたんぱく質を摂ることをお勧めします。そして、運動で筋肉や骨を鍛えることも大事です。

糖尿病と糖質について理解を深めて欲しい

 全国糖尿病週間ということで糖尿病のお話をしましょう。糖尿病予防はただ糖質を摂らなければよいと思っている人もいますが違います。特に最近は「糖質オフ」や「糖質抜きダイエット」が流行で糖質は悪者扱いされていますが、糖質は運動のエネルギーになり、脳の働きにも必要なのです。たんぱく質や脂質をエネルギーとして代謝するのにも、糖質が必要です。もちろん摂りすぎはいけませんが、食事は糖質を含む炭水化物・たんぱく質・野菜をバランス良く摂ることが大切。そして「筋活」は糖尿病予防にもいいんですよ。バランスよく食べて運動をして筋肉をつけ、エネルギー代謝をよくするのが糖尿病予防の基本。もちろん、フレイル予防にもなります。


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掲載日:2019年11月

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監修:福岡リハビリテーション病院