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福岡リハビリテーション病院 糖尿病内科専門医 黒木 達哉先生

【専門】糖尿病、生活習慣病
・日本内科学会 認定内科医
・日本糖尿病学会 《専門医》 《指導医》

糖尿病は気づかないうちに忍び寄る。
でも本当に怖いのは合併症。

糖尿病とは高血糖状態が続くことを言います。
体内に取り込んだ一番大切な栄養素「ブドウ糖」をエネルギーとして利用するためにはインスリンというホルモンが必要です。しかしインスリンの量が十分でないか、インスリン作用が低下してしまうと「ブドウ糖」がエネルギーとして利用できず、血糖値が上がる、つまり高血糖になるのです。

糖尿病は大きく1型と2型の2つのタイプに分かれます。
1型はすい臓からインスリンが出なくなることで起きるタイプで、幼児期より青年期に発症することが多いとされていますが、高齢者で発症する場合もあります。
2型は肥満や運動不足などが原因で、インスリンの働きが悪くなることで発症するタイプです。日本人の糖尿病患者の9割がこの2型に当てはまります。2型は家族に糖尿病患者がいるといった遺伝的背景に生活習慣の乱れ、加齢などの要因が加わり発症します。

◎自覚症状はなし、早期発見に努めて

早期の糖尿病は自覚症状がないことが多いです。
発症していても気づかず、ゆっくりと全身に影響を及ぼし、気づいた時には進行しているということも多々あります。だからこそ早期発見・早期治療が大切になってきます。
実は診断は1回ではむずかしく、会社などで行なわれる健診(空腹時血糖値)で発見できるのは3割と言われています。ですので定期的な検査と病院で行なわれる随時血糖値の測定なども参考にしてほしいです。

糖尿病は血液検査でしかわかりませんが、誰でも自宅でできる血糖検査キットもあります。病院での検査がおすすめですが、まずは検査キットでチェックしてみるのも良いかもしれません。運動をしながら自分で歩ける〈力〉をつけていきましょう。

早期の糖尿病は自覚症状がないことが多いです。発症していても気づかず、ゆっくりと全身に影響を及ぼし、気づいた時には進行しているということも多々あります。だからこそ早期発見・早期治療が大切になってきます。実は診断は1回ではむずかしく、会社などで行なわれる健診(空腹時血糖値)で発見できるのは3割と言われています。ですので定期的な検査と病院で行なわれる随時血糖値の測定なども参考にしてほしいです。糖尿病は血液検査でしかわかりませんが、誰でも自宅でできる血糖検査キットもあります。病院での検査がおすすめですが、まずは検査キットでチェックしてみるのも良いかもしれません。

◎予備軍だからと安心できない

厚生労働省による「国民健康・栄養調査」(2012年)の結果、糖尿病950万人に対して糖尿病予備軍は1100万人にのぼることがわかりました。
予備軍とは「境界型糖尿病」のことで、血糖値が正常型と糖尿病型の間にあります。予備軍と呼ばれてはいますが、将来的に糖尿病を発症する可能性が高い状態ですので注意が必要です。また糖尿病を発症していなくても食後高血糖は「動脈硬化」の高リスクになります。もしも「境界型糖尿病」(予備軍)と診断されたら、医師と相談しながら生活習慣を改善するなど予防に努める必要があります。

ここで簡単な糖尿病チェックをしてみましょう。
下のチェック項目で3個以上当てはまった方は黄色信号です。早めの相談をおすすめします。

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自覚症状のない糖尿病ですが、状態が進行し高血糖状態が長く続いてくると自覚症状が現れます。主な症状は、尿の量が多くなる(多尿)、喉が渇き水をたくさん飲む(口渇、多飲)、体重の減少、疲れやすくなるといったことです。
これらの症状が出ると悪くなっている可能性が高いので、すぐに病院を受診してください。特に家族や血縁者に糖尿病の人がいる方は要注意です。自覚がなくても定期的な検査をするようにしましょう。

◎最も怖いのは糖尿病からの合併症

長期間血糖値が高い状態が続くと合併症を起こすリスクが高まります。
中でも三大合併症と言われる「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」は悪化すると生命をおびやかしたり、生活に支障をきたしたりと深刻な病状に陥ることにつながります。

最初に出現するのが「糖尿病神経障害」。
最も典型的な初期症状は両足の裏のしびれです。ひどくなると感覚が低下し痛みを感じることが出来なくなり、ケガをしても気づかないといったこともあります。
また切断を余儀なくされることも多い「壊疽(えそ)」は、神経障害により気付くのが遅れた傷がきっかけということも多々あります。
「糖尿病網膜症」は悪化すると失明することも。
「糖尿病腎症」になると、血液中の老廃物や不要物を尿中に排泄するという腎臓の一番大切な働きが失われることで尿毒症となり、人工透析が必要になる場合もあります。

他には、予備軍でもなるリスクの高い「動脈硬化」は、進行すれば「脳卒中」や「心筋梗塞」につながります。また「認知症」や「歯周病」など、合併症は体中のあらゆる所に出現すると言っても過言ではありません。
ただ合併症は糖尿病になったら必ず起こるというわけではありません。適切な血糖コントロールで防ぐことは十分可能です。もしも糖尿病と診断されたら、怖がらずに医師の指導と治療を受けるようにしてください。

糖尿病は生活習慣によりリスクが高まるとお話してきましたが、肥満のある高血圧や高脂血症の方も糖尿病リスクは高まります。今は高血圧や高脂血症に対するいい薬が出ているので、薬を飲めば血圧やコレステロールの値は下がりやすいです。
しかし生活習慣が悪いままだと、のちに糖尿病が発症することもあります。また、薬で血糖値が下がったからといって安心せずに、生活習慣にも引き続き気をつけるようにしてください。
元々アジア人は体質的に糖尿病を発症しやすいといわれています。家族や血縁者に糖尿病の人がいなくてもできるだけ健診を受けることをおすすめします。

福岡リハビリテーション病院は大病院と違い紹介状がなくても受診できます。血液検査結果が当日分かる他、糖尿病診療に必要な検査がほとんど出来るなどクリニックにはない利便性と、大きな病院にはない気軽さがあります。当院は「小さな病院、大きなクリニック」、をモットーに、ここが《かかりつけ医》となるようスタッフ一同、日々向上に努めています。

◎糖尿病専門医によるチーム医療

当院では、糖尿病内科を設け糖尿病専門医が相談・治療にあたります。
糖尿病はずっと付き合っていかなければならない病気です。正しい治療をしっかりと行ない、血糖コントロールを続ければ、合併症の予防や進行を遅らせることが出来ます。血糖値は上がったり下がったりと数値が行き来するものです。

当院における糖尿病治療は、血糖値を下げることだけが目的ではありません。合併症を起こさないようにすることが最終目標です。
その為に糖尿病を発症してしまったら、糖尿病専門医を中心に管理栄養士や糖尿病認定看護師、健康運動指導といった医療チーム体制で予防から治療までを行います。

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治療の中心となるのは、大きく分けて食事・運動・お薬です。
食事療法は糖尿病患者はもちろん、予備軍の方にも必要な治療のひとつです。
治療では、医師の指示のもと、管理栄養士と糖尿病認定看護師がタッグを組んで予防指導を行います。また、運動による改善には、健康運動指導士が適切な運動プログラムを作成し、糖尿病予防や治療のサポートをします。食事や運動で血糖コントロールが上手くいかない場合は薬物療法を行ないます。当院では通院治療に加え入院治療も行っています。
患者さん一人ひとりに合ったきめの細かい医療の提供を心がけています。

取材協力

福岡リハビリテーション病院

☎092-812-1880
福岡市西区野方7丁目770
http://frh.or.jp

※掲載の記事は、掲載日時点での情報となります。掲載されている、施設名、お名前、役職等、また、医療情報等は当時の情報となります。

掲載日:2016年10月

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監修:福岡リハビリテーション病院