福岡リハビリテーション病院 | ろこも予防情報サイト 提供 シティ情報ふくおか 福岡リハビリテーション病院

中島 猛  さん

福岡県出身。福岡市西区在住。スポーツが好きで、少年時代から野球に夢中で長く続けていたが、30歳でゴルフと出会い友人とラウンドを楽しむようになる。以来45年間その熱は衰えることなく、今も多くのコンペに参加するなどグリーンに立つ喜びを謳歌している。

膝の手術を2度経験、
今もゴルフが楽しくて仕方がない

シルバー世代が楽しみにしている
生きがいとは

「生きがいを感じるのはどんな時ですか?」と聞かれたら、みなさんは何と答えますか?シルバー世代の意識調査によると、1位は『孫など家族との団らんの時』2位は『趣味やスポーツに熱中している時』3位は『友人や知人と食事、雑談をしている時』※の順位になっています。ろこもでは、これまでたくさんのシルバー世代にお話を伺ってきましたが、みなさん自分の生きがいを持ち、家族や地域のなかで人とふれあう時間を大切に過ごしています。今回お話をお伺いする中島さんも、2度膝の手術を経験しながらも治療に励み、今は現役で仕事を続けながらゴルフを大いに楽しんでいらっしゃいます。

※内閣府 平成25年度「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」

スポーツが好きで
少年時代から野球に熱中

中島さんとの待ち合わせは行きつけのゴルフ練習場。ろこも取材班が現地に到着した時は、すでに練習に励んでいらっしゃいました。中島さんがきれいなスイングでクラブを振ると、カキーンという心地良い音とともにボールが飛躍します。しっかりとした足腰からは膝が悪かったということが想像できません。

「昔からスポーツが好きだったですね」と中島さん。少年時代夢中になったのは野球でピッチャーだったそう。高校を卒業後旧建設省に勤め、公務員として河川の整備事業に携わり、橋の設計などの仕事に取り組まれていました。九州各地や沖縄へも転勤し忙しい日々をおくるなかでも野球への熱は衰えず、仲間とチームを組んで試合を楽しんでいました。

ゴルフとの出会いは30歳の時。グリーンの爽快感、仲間とコースをまわる楽しさに夢中になりました。「やってもいっちょん上達せんけどね」と言いつつ、ベストスコアは78という腕前。56歳で後輩に道を譲るために転職してからは、毎週末プレイを楽しむようになりました。
しかし還暦を目前に控えた頃、左膝に違和感を覚えるようになったのです。

17ホール目で突然の痛みに
坂が下れず

「どこかいい病院がないかと近所の人に聞いてみたら、福岡リハビリテーション病院(以下福リハ)がいいよと教えてもらいました」と中島さん。福リハで、膝関節外科専門でスポーツ医でもある花田 弘文先生と出会いました。

「花田先生はサッパリしたいい先生。私の膝はO脚になっとってね、水がたまっていた」と中島さん。これは典型的な変形性膝関節症の症状です。変形性膝関節症は50代以上に多く、加齢により膝の軟骨がすり減り、進行すると関節が変形して痛みが生じます。中島さんは関節が炎症を起こし膝に水がたまるという状態でした。「時々通院して膝の水を抜いたりヒアルロン酸注射を打ったり足底板(靴の中敷き)を作ってもらったこともありますよ」

こうして福リハで通院しながらしばらく保存療法を続け、仕事やゴルフも今まで通りに励んでいたといいます。
「年に60回以上はコースに出よったけんね。仕事も出張で九州中廻って、特に膝で支障が出るということはなかった」

しかしある日、いつものようにゴルフコースをまわっていた中島さんに突如として激しい膝の痛みが襲います。
「17ホール目やった。それまでは普通にプレイを楽しんでいたのに、急に膝が痛くて坂道が下りれんごとなりました」

それでも18ホールまでプレイし、後日福リハに行くと医師から手術が必要と告げられました。
「膝の上の骨と下の骨がくっついとった。レントゲンを見て、これは手術せないかんと自分でも思いました」と中島さん。

中島さんが福リハで受けた手術は高位脛骨骨切り術。変形性膝関節症でO脚となった脚を矯正し、痛みを改善する手術です。

「手術後のリハビリはこげん痛かことはないっていうくらい痛かった。でも、またゴルフをしたい、それが目標。理学療法士さんともゴルフの話ばっかりしていました」

リハビリは目標がある人ほど熱意をもって取り組むと言われています。中島さんも順調に回復し退院後もリハビリを続けて、早期のゴルフ復帰が叶いました。

入院中は会話しながらのリハビリが楽しみに

「手術の翌日から車椅子に乗りリハビリも始まりました」
人工関節置換術の場合、術後なるべく早めにリハビリを始める。特に年齢を重ねるほどに筋肉が硬くなったり衰えやすくなるので予防のためにもリハビリが必要だ。

「理学療法士さんがマッサージをしてくださった後、膝の曲げ伸ばし運動から始めたんですが正直痛いんです。でも、理学療法士さんと話しながらするリハビリは、入院生活で楽しみな時間になりました」その中でも特に心に残る言葉は何だったのだろう。「退院しても絶対にウォーキングや体操を続けてくださいね、決して家にこもらないでくださいと言われたことですね」

手術をして病院でのリハビリ期間を終えても運動を続けることが大切なのは、年齢とともに衰えていく筋肉を鍛えて歩ける体を維持するためだ。

「福リハは看護師さんも理学療法士さんも明るくて親切でした。退院後の日常生活をよく考えてくれて、木の葉モールで外出の練習をしたり、自宅リフォームの提案もしてくださいました」

 

 

手術から約7年、仕事やゴルフにと中島さんはアクティブな毎日を送っていたそうです。しかし「今度は右足の調子が悪くなって…左足をかばっていたせいかも知れない。花田先生に診てもらってしばらく保存療法を続けていたけど、またゴルフコンペの最中に痛くなって手術を受けることになりました」
2度目の手術と入院を中島さんは笑みを浮かべて語ります。
「もう(手術2度目の)ベテランやけんね、辛くはなかった。リハビリも何をやるかわかってるし、無理せず自分のペースでコツコツやらせてもらいました」

通院でもスポーツ談義に
花を咲かせて

退院後しばらくはゴルフをやめておくようにと医師に言われた中島さんは、初めて長い期間クラブを握ることなく、通院とリハビリを続けていました。

「花田先生は今度あそこのコースに行くんですよとか、ゴルフの話を私にするんですよ。私はまだプレイできないのに。やめてくださいって言ったんです(笑)。それも先生の励ましでしょうね」
医師や理学療法士とのつきあいも長くなり、すっかり打ち解けて通院のたびにゴルフやプロ野球などスポーツ談義に花が咲くようになったそう。

「ほかにも持病があるけん、眼科以外はすべて福リハで診てもらっています。今までのレントゲン写真をスマホに撮っとうけん、良くなっているのがよくわかる」

久しぶりのコンペで
佐賀牛ゲット

医師の許可を得て晴れてグリーンに立ったのは手術から約10か月後。「佐賀牛カップ」というゴルフ場主催のコンペでした。
「久しぶりやけん、腕が落ちているなあと思ったけど、飛び賞で佐賀牛のステーキ肉とすき焼き肉をゲットした!その夜は家内と祝杯を挙げました」と嬉しそうに語る中島さん。ゴルフを再開してから2か月の間にすでに6回コースでプレイしているそう。

「建設省時代の仕事仲間とプレイすることが多い。みんな後期高齢者になったけど月3回くらいは集まっているかなあ。私の膝はもう大丈夫、痛くない。プレイ後だるくなってもスーパー温泉に入れば調子よくなるよ」と、ゴルフの話をする中島さんはイキイキとしています。

今後の目標をたずねると、「これからもゴルフを続けて、また佐賀牛をゲットしたい。この賞品、家内が一番喜ぶもん」と満面の笑顔。ゴルフを愛する中島さんの気持ちは、白球を追い続けた少年の頃のままなのかもしれません。好きなことをやり続ける情熱、そして家族や仲間と楽しく過ごす時間こそが、心身の元気を保つ秘訣だと教わりました。

 

取材協力

野方ゴルフガーデン

福岡市西区野方2-49-8
☎092-811-4677
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掲載日:2020年02月

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監修:福岡リハビリテーション病院