福岡リハビリテーション病院 | ろこも予防情報サイト 提供 シティ情報ふくおか 福岡リハビリテーション病院

脳卒中という病気は再発率が高い。
また、脳卒中を発症したことがない人でも両親など家族が脳卒中を発症した人、健康診断で血圧や中性脂肪、コレステロール値が高いと言われた人は注意が必要だ。脳卒中を予防するには、食事の管理が重要だと言われている。脳卒中のリスクを高めるのはどんな食事なのか、多くの脳卒中患者の指導をしてきた管理栄養士の斎藤ミキ先生に伺った。

高血圧は塩分や飲酒にも注意

 脳卒中予防の基本となるのは血圧の管理です。脳卒中を発症した方は薬で血圧のコンロールをする場合が多いですが、食事管理がベースです。
 ご存じのように塩分の摂りすぎは高血圧の原因となります。塩分を多く摂るとナトリウムを調節するために体内を循環する血液量が増え血圧が上がるのです。高血圧の方は、塩分摂取量を1日6グラム目安にしてください。
 また、アルコールを飲むと血圧が下がるから良いと思っている人がいますが、それはちがいます。アルコールを摂取すると血圧が下がるのは、一時的に血管が広がるからです。そうするとお酒を飲んでいない普段は血圧が上がりやすくなるのです。それに加えアルコールを飲むときは塩分の高いおつまみを食べてしまいがちです。お酒と塩分でさらに血管の負担になります。晩酌が楽しみという人は多いですが、健康面で言えば休肝日を設けることが必要です。特に一度でも脳卒中になった方にとってはリスクとなりえます。

過剰な脂質で血管が詰まる

 高血圧だけでなく、脂質異常症も脳卒中の危険因子です。脂質異常症は血液中の中性脂肪やコレステロールの量が異常値である病気です。血液の中に脂質が増えたままにしておくと脂質が血管の内側に溜まってかたまります。そうなると血管が狭くなって血液の流れが悪くなります。かたまりは時に破綻して血栓となり、脳の血管に詰まると脳梗塞になるのです。

 脂質異常症というと、脂だけを摂りすぎないようにすれば良いと勘違いしている人も多いですが、動物性脂肪のほかに甘いものやアルコールも中性脂肪を増やします。脂質異常症の男性はアルコールとお肉が好きで、女性は甘いお菓子や乳製品を好む人が多いですね。脳卒中を予防するためにも脂質異常症の人は節度を持って食事をコントロールする必要があります。

 ここまでは脳卒中のリスクを高める食事のお話をしてきましたが、脳卒中予防のためには、やはりバランスの摂れた食事が理想的です。主食は、自分の運動量に合わせて量を調節し、お魚や脂身が少ないお肉、卵、大豆などのたんぱく質のおかず、野菜のおかず、汁物はきのこや海藻類を入れたものなど。和食なら健康的な献立が作りやすいですね。

しかし、「理想の食事」は個人の体質や病状、活動量などによって異なります。特に一度脳卒中を発症した方や持病がおありの方は医師や管理栄養士とよく相談し食事管理に努めましょう。


※掲載の記事は、掲載日時点での情報となります。掲載されている、施設名、お名前、役職等、また、医療情報等は当時の情報となります。

掲載日:2019年05月

PAGE TOP

監修:福岡リハビリテーション病院