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福岡リハビリテーション病院 神経内科部長 金森 祐治先生
【専門】脳卒中・てんかん
・日本神経学会 《専門医》 ・日本内科学会 《認定内科医》
もの忘れ? それとも認知症?
相談することで見つかる完治・改善への糸口
◎もの忘れ・認知症でお悩みの場合は、まずはご相談を
私が神経内科に携わる中で常々感じてきたのは、患者さんとご家族とじっくりとお話しすることの大切さ。当院にはもの忘れや認知症のことでお悩みの方が、ゆとりある時間の中で相談ができる「認知症相談窓口」を設けています。対応するのは日本認知症ケア学会が認定する「認知症ケア専門士」の資格を持った看護師たち。
「自分は、家族は認知症なのだろうか?」と抱え込んでしまう前に足を運べる、地域のみなさんにとって身近な場所となることを目指しています。
◎専門家に相談して原因を見極めることで完治できる可能性も
認知症とは病名というより認知機能低下により生じる様々な症状の総称です。
認知症の原因となる代表的な病気・アルツハイマー病に関しては、進行を遅らせる薬は存在しますが、完治させる薬はまだ開発されていません。
ですが、他の病気の中には適切な治療を行うことで認知症が完治するものがあります。
もの忘れ外来では、認知症ケア専門士への相談内容をもとに、診察・検査(血液検査、MRI、脳波)を行い、認知症なのかどうか、認知症の原因となる病気は何なのかを診断し、治療の方針を決定します。認知症の症状は多彩ですので、必要に応じて作業療法士の協力の下、より詳しい認知機能の評価を行っています。
◎もの忘れ・認知症でお悩みの場合は、まずはご相談を
認知症の初期は患者さん自身が症状を自覚していても、それを周囲に悟られまいと〝症状による失敗を隠す〟傾向がありますが、生活への影響はそれほど大きくありません。
しかし、ご家族が「家庭内の問題だから…」「自分が頑張らなきゃ!」と思っている内に病状が進行して妄想・幻覚、徘徊といった症状が出てくると、ご家族だけでのケアが難しくなる恐れも。
通院する、介護サービスを取り入れるなど第三者が関わることは、症状を安定させるきっかけとなり、ご家族がケアしやすくなることにつながります。
認知症相談窓口での相談は無料です。
「受診させるべきか迷う」「本人が受診したがらない」などでお悩みの場合でも、まずはご相談ください。
取材協力
☎092-812-1880
福岡市西区野方7丁目770
http://frh.or.jp
※掲載の記事は、掲載日時点での情報となります。掲載されている、施設名、お名前、役職等、また、医療情報等は当時の情報となります。
掲載日:2015年01月